【コンディショニング講座】最終回全体のコンディショニングを - 女子フットサル|PANNA-FUTSAL

【コンディショニング講座】最終回全体のコンディショニングを

2016年5月 6日 18:55

conditioning-banner550.jpg

 

【正しい姿勢】
 
 フットサル界での活動を始めた頃、選手たちのセルフコンディショニングを見ていて気になったことがあります。それは、下肢に関しては色々と気を遣って取り組んでいるのですが、上肢や腰背部に関してはそれほど気にかけていないということです。フットサルは主に足でボールを蹴って行うスポーツですから、身体部位における優先順位としてそのような傾向になるのも自然な流れなのかもしれません。しかしながら実際には、首や肩の張り、背中や腰の痛みを訴えて相談に来る選手が非常に多かったんです。
 学生であれば授業中の姿勢、社会人であれば勤務中の姿勢を振り返ってみましょう。前かがみになり背中が丸まっていたり、背もたれに寄りかかって骨盤が後ろに傾いていたりしませんか?美しい脊椎のラインを維持していることが正しい姿勢の前提となります。身体各部位への負担が少なく、本来疲れにくいというのがこの姿勢です。
 
 立位では、正面から見た場合に両肩が同じ高さにあるか、左右の骨盤の出っ張りが同じ高さにあるかを確認してみましょう。横から見た場合には、耳、肩、膝、くるぶしのやや前方が縦ライン上にあるかをチェックしてみましょう。
 
 座位でも、横から見た場合に耳と肩が同じラインにあることが望ましい姿勢となります。正しい姿勢を意識して、胸をピンと張り背中を沿って、肩甲骨を寄せるような反応を見せる方も多いのですが、この際のポイントは「骨盤を立てる」ということです。骨盤が後ろに傾いてしまうと、背中を真っすぐに保てません。決して力む必要はないのですが、しっかりと骨盤を立て、その上に背骨や頭が積み重なっているというイメージを持って座ってみましょう。
 
 背中が丸まると、肩甲骨は外側に開き、肩や背中の筋肉が伸ばされ続け、逆に首や胸の筋肉が縮こまり、血行が悪くなります。また、呼吸がしにくくなるため体内に十分な酸素が行き渡らなくなり、集中力が低下したり、疲れやすくなったりします。運動中においては、体幹や手足の動きが制限され、フォームの乱れからパフォーマンスに影響を及ぼしたり、視野が狭くなったりします。このように、日頃の姿勢も運動中の姿勢も相互に影響を及ぼしていることが分かりますね。ですから、パフォーマンスの向上のためにも、コンディションを良好に保つためにも、日頃から「姿勢」を意識して生活してみて下さい。
 
conditioning12.jpg
 
【ウォーミングアップの際に】
 
 下半身だけではなく上半身も意識的に動かすようにしましょう。学校や勤務先で日中に同一姿勢を強いられた後の練習や、遠征により長時間の移動を強いられた後の練習や試合では、固まってしまった身体を動かしやすい状態に整えなくてはなりません。例えば肩こりが気になる際に、首や肩ばかりを回す方が多い印象ですが、肩甲骨を多方向に動かしたり、縮こまった胸を開くようなダイナミックストレッチを取り入れるといいでしょう。
 
 つい猫背になってしまう方は、堅くなってしまった脊椎を動かしやすくし、適切なラインを確保するために、胸椎を伸ばしたり(伸展)、ねじったり(回旋)するようなメニューも積極的に行いましょう。また、腰背部に関しては背面を伸ばしたり動かしたりする方は多いのですが、体側へのアプローチも忘れずにしっかりと行うことが大切です。専門家に相談しながら、今の自分の身体に必要な要素は何かを見極め、日頃の準備に活かしていきましょう。
 
 
【ご挨拶】
 
 連載も今回で12回目となりました。あっという間の一年でしたが、女子フットサル界に少しでも有益な情報を発信できていたら幸いです。身体への意識を高めることが、競技力向上につながることは間違いのない事実です。ケガをしない身体、理想のプレーを実現するための身体を作るために、各々ができることはたくさんあります。コンディショニングも重要な要素として捉え、前を向いて頑張って下さい。皆様のご活躍を心よりお祈りいたします。
ありがとうございました。
 
 

yt_s.jpg

Desporteサイドバナー.jpg

PANNAロゴ(バナー用).jpg

credit-school_bannerl.jpg

234_60banner.gif