【コンディショニング講座】第11回フィジカルテスト - 女子フットサル|PANNA-FUTSAL

【コンディショニング講座】第11回フィジカルテスト

2016年4月 6日 10:58

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【フィジカルテストの導入へ】
 国際大会などを通じて海外の女子フットサルを見る機会がありますが、日本がこれらの国々を相手に戦う上で、「フィジカルの強化」は欠かせない要素の一つだと毎回痛感します。体格差のある相手に当たり負けしない身体、スピーディーなプレーやトランジションに対応できるアジリティ(敏捷性)やクイックネス(俊敏性)。アジアでは常に上位につける日本でも、他国に比べてそれらが秀でているかと言えばそうではありませんし、世界の強豪ブラジルやスペイン、ポルトガルやロシアに追いつくためには緊急課題と言っても過言ではないでしょう。
 
 日本国内の大会を見ると、女子フットサルの競技レベルは確実に上がっているという印象があります。しかしながら、他競技では当たり前のように行われている定期的なフィジカルテストを、実際に行っているチームはどれほどあるのでしょうか。競技フットサルとしてもう一歩前進するためには、今現在の体力的なレベルを知り、適切なトレーニングプログラムを組み、その効果を把握するという一連の流れを取り入れる段階へと来ているはずです。
 
【テストを行う意味】
 学校では、「スポーツテスト」を経験したことがあるかと思います。50m走や20mシャトルラン、反復横跳びなどを行い、体力や運動能力を調査するものです。では、スポーツ現場で行う体力測定(フィジカルテスト)にはどういった意味があるのでしょうか。
 
<なぜ体力測定をするのか>
1. 選手個人の能力を向上させるため
2. トレーニングプログラムの効果を確認するため
3. リハビリテーション中の経過をチェックするため
4. 選手の健康状態をチェックするため
5. 研究のため
 
 フィジカルテストを定期的に行うことによって、チーム平均や選手個人の特徴を確認することもできますし、データを比較することで目標設定や選手のモチベーションの向上にも役立てることができます。また、コンディションチェックのツールとして用いることで障害やオーバートレーニング症候群等の予防にも活かせるでしょう。
 
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【テストの例】
 測定結果を確認することだけがテストの目的となってはいけません。そして数多く存在するテストの中から、フットサルに関連する要素を含んだ項目を選択することも重要です。場合によっては、競技特性を考慮しながらアレンジしてもいいでしょう。
 
 いつも練習している体育館やフットサルコートなどで、特別な用具を用いずに簡単に行えるテストであるということもポイントの一つです。また、測定の前には十分なウォーミングアップを行いましょう。
以下、気軽に行えるものとしていくつかのテストを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
 
プロアジリティテスト(アジリティ)
用意するもの:
ラインテープ、ストップウォッチ
準備:
5M間隔で3本のラインを引く。
方法:
1. 合図により中央ラインからスタートし、右側のラインに向かい右手でタッチ。
2. 方向転換し、左側のラインに向かい左手でラインをタッチ。
3. 再び方向転換し、中央ラインを駆け抜けた際のタイムを測定。
注意:
・右側のラインは右手で、左側のラインは左手でタッチする。
・2 - 3回繰り返し、最高値を記録する。
・タッチの代わりにラインをまたぐことをルールにしても良い。
・サイドステップで行うなど別条件を設定して行っても良い。
 
300メートルシャトルラン(無酸素性持久力)
用意するもの:
ラインテープ、ストップウォッチ
準備:
25M間隔で2本のラインを引く。
方法:
1. 合図によりスタートラインをもう一方のラインの間を6往復する。
 (25M×6往復=300M)
2. 方向転換の際は、ラインを踏むかラインを超えなければならない。
3. 5分間の休息を挟んで2回試行し、平均値を記録する。
 
300Mシャトルランの代わりに、バスケットボールコートのエンドラインを往復するという方法を取っても良いでしょう。体育館に引かれているバスケットボールコートのラインは、規定ではエンドラインからエンドラインまでの縦の長さが28Mとなっています。それを利用し、5往復を何秒で走りきれるかを測定します。バスケットボール界ではトレーニングとしても活用されていますが、女子フットサルのトップレベルであれば1分以内、スピードを活かしたい選手の場合は55秒を一つの目標とするといいでしょう。
 
<参考文献>
・選手と指導者のためのサッカー医学(金原出版;2005)
・ストレングス&コンディショニング2(大修館書店;2003)
 
 

 

 

 

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