SAICOLO 3-3 福井丸岡RUCK
<得点者>
1分 5番五十嵐選手(丸岡)
3分 7番加藤選手(SAICOLO)
6分 10番池内選手(丸岡)
13分 13番高尾選手(丸岡)
33分 11番吉川選手(SAICOLO)
36分 7番加藤選手(SAICOLO)
勝った方が優勝、引きわけなら得失点で丸岡が優勝となる大一番。意外にもいきなり試合が動く。試合開始42秒、丸岡9番北川選手が相手陣地でボールをカットするとこぼれ球を5番五十嵐選手が飛び出したGKの頭上を抜くチップキックがゴールに吸い込まれ、丸岡が先制点を奪う。しかしSAICOLOもすぐに反撃。前半3分に左サイドから9番安選手がゴール前へシュートパスを入れると7番加藤選手がGKの前でヒールで流し込み、1-1の同点に追い付く。しかし丸岡も前半6分、ショートカウンターからU-15世代10番池内選手のファー詰めでゴールが生まれ2-1と再び勝ち越しに成功する。両チームともにプレスを掛け合う事でパスワークというよりもボールを奪ってからのカウンターの場面が多く、落ち着かない展開ながら、一瞬も気を抜けない、そして観客も見逃せない展開。前半13分にはGKからのロングスローを受けた丸岡13番高尾選手がニア上へ突き刺し3-1とリードを広げた。
SAICOLOは前半からチャンスを作るが、あと一つタイミングが合わない、そしてゴールを捉えられない事で得点が奪えない。後半に入りSAICOLO優勢ながらなかなか得点が生まれなかったが、後半13分ゴール前押し込み丸岡の守備が崩れたところで8番高橋選手のループパスに競り勝った11番吉川選手が頭で押し込み1点差とする。更に16分には左サイドのキックインをチョンドンで7番加藤選手がゴール前へロビングのパス。これが絶妙なファー上のコースに吸い込まれ3-3と同点に追い付いた。勝利が必要なSAICOLOは8番高橋選手をGKにしてパワープレーを開始。しかし粘る丸岡は勝ち越しを許さずタイムアップ。試合は引き分けに終わり、丸岡は勝ち点11にい伸ばして単独首位を確保。プレ大会女王の座には丸岡が名を連ねる事となった。
<SAICOLO記者会見>
小野監督:今日は勝てば優勝という幸せなシチュエーションで最終節に試合ができる事に感謝して試合に臨もうと選手に伝えました。丸岡さんの対策というよりは自分達の良さをどう出していくかという事を考えました。丸岡さんの守備は一列目はだいたい受け渡しをするので、間で受けてサイドを使っていければなと。またピヴォを使っての攻撃が有効だと思っていましたのでその2つを意識していました。あと丸岡さんの脅威であるショートカウンターを防ぐ為に自陣での不用意なドリブルカット、パスカットをされないようにと考えていましたが、悪い方の想定が当たってしまい前半失点してしまいました。ただリードされても、「絶対に追い付ける」と選手達とロッカールームでも話していました。後半丸岡さんが疲れたのか、ウチの攻める時間が増えましたが、そこで決めきる事ができず、得てして勝ちきれない試合はチャンスに確実に決められなかった事に尽きると思います。ただ選手は日本リーグに参加して成長したと思います。毎試合勝つか負けるか分からないプレー強度の高い試合をできたという事で、本当にこのリーグに参加して良かったなと思います。最後に丸岡さんには初代チャンピオンおめでとうと伝えたいです。
高橋選手:自分達の良さを出すという事で臨んだ試合、早い時間に良くない形で失点してしまって少し下向いた時間もありましたが、チャンスは多く作れていたので、ハーフタイムに気持ちを一つにして後半に臨みました。自分達がやりたい形が多くできましたが、勝ちきれなかったという事は自分達の力が少し足りなかったという事だと思います。それでも日本リーグに参加させていただいてすごく成長できた事は評価できる事だと思います。
- 前半から後半の頭くらいまでお互いにプレスを掛け合う事で攻守の切り替えが早い落ち着かない展開が続きました。後半SAICOLOではなく、丸岡のタイムアウトを取った後に明らかにSAICOLOに試合が傾いたように見えました。どのような指示があったのでしょうか。
小野監督:11番の吉川をピヴォに置いて3人を交代していくようにしました。そして3人で回すのではなく、シンプルにピヴォへ入れようと伝えました。その際、ボールサイドではないアラはピヴォとフィクソの間に顔を出し、3列を形成する事でピヴォに入った後に2列目、3列目と次々にボールに絡むようにと徹底した事が良かったのかもしれないです。
- 先程の監督のお話で日本リーグに参加してたくましさが出たとありました。具体的にどのような点でしょうか。
小野監督:日本リーグに参加するチームはどこも強豪です。高いプレッシャーの中で自分達が目指しているボール回しだったり、フィニッシュ、逆に相手の自由にさせないようなプレスというのを毎試合体験できたという事で、失点をしてずるずる行かなくなったなと思います。今日も勝てはしませんでしたが、同点まで追い付けて、あと一歩という場面まで行けました。そういう点では粘り強さはこのリーグを通じて身に着けてきた事だと思います。
- 勝てば優勝というシチュエーションで戦った相手の丸岡に対して印象を聞かせて下さい。
小野監督:丸岡さんとは何度もやっていたのでだいたい分かっていました。代表選手を中心にスピード、守備から攻撃への切り替え、特にボールを持っていない選手が凄く早い。それに対抗するにはフィジカルの部分も上げていかなくてはならないですし、ボールの扱いもうまいですね。また小さな頃から同じチームでやっているという事で阿吽の呼吸ではないですが、意思統一されているなと感じていてやり辛いです。
- 正式に日本リーグ発足してからは打倒丸岡となりますか?
小野監督:もちろんです。いつまでも負け続ける訳にはいかないので。そうやって切磋琢磨していけば日本代表だったり、リーグに参加しているチームがレベルアップできると思いますので、今日みたいな試合を毎回したいと思います。
<福井丸岡RUCK記者会見>
田中監督:本当にたくさんの方々に応援していただき、プレ大会を優勝という形で終われた事に感謝しています。今日は相手も関東王者のSAICOLOさんという事でいろいろな対策をしてきました。経験には若さで対抗しようと思いましたが、やられたなという印象です。3-1になって、しっかりここからと思っていましたが、後半2点取られてしまいました。ただこの試合多くの観客が入り、盛り上がってくれた事は、女子フットサルの良さが伝わったのではと思っています。これからもフットサルの素晴らしさを伝えたいと思っています。よろしくお願い致します。
浅野選手:今年から始まった日本リーグ、私達は本当にたくさんの方々に支えられて優勝ができたと思っています。3-1にして中学生も出場するようになり、全員で戦いました。ホイッスルが鳴った瞬間はうれしい気持ちもあったのですが、達成感とか安心したという気持ちがありました。ただRUCK全員で戦って優勝できましたのでまずは結果を受け止めて、次につなげたいと思います。
- 3-1とリードしましたが、落ち着かない展開が続きました。そして最後はSAICOLOに押し込まれる展開となりましたが、原因は何だったでしょうか。
田中監督:今回センター試験と重なり、GK16番の鵜飼、2番横山等が参加できませんでした。しかしこの間の全日本女子ユース(U-15)でも考えて、フットサルは皆で楽しむものだと、皆で戦おうと話し合って決めました。中学生もU-15の大会で全国優勝しましたので彼女達に経験を積ませる為に、女子フットサルの未来を切り開く為に若い選手達を使いました。こうなるとは思っていませんでしたが、彼女達はすごく良い経験ができたと思いますし、来季の日本リーグが更に楽しみになりました。
- 日本リーグが発足して女子フットサルにもたらしているものはどんな事だと思いますか?
田中監督:自分達はフットボールのチームだと伝えています。サッカーもフットサルも大好きな子供達です。雪が降れば外でサッカーはできません。そんな時に室内でサッカーの楽しさを分かち合う為にフットサルをしてきました。フットサルの練習をするとサッカーのスキルが上がります。一つのボールを追いかけて仲間と共に勝利を追及するというフットサルが大好きです。若者達にフットサルもサッカーもやって、もっともっとフットボールの楽しさを分かって欲しいなと思っています。日本リーグができた事で選手達もなでしこじJAPANになるという事だけでなく、フットサルの代表選手になる、フットサルで世界と戦いたいという気持ちが強くなってきています。今年は3年生が途中で辞める事が多いのですが、今年は全員続けました。自分達が活動を続ける事でフットサルとサッカーが融合して日本のフットボールを愛する女の子達が増えて行ってくれれば良いなと思っています。