【予選リーグ第2戦】
フットサル日本女子代表 3-2 フットサルタイ女子代表
<得点者>
6分8番坂田選手(日本)
20分7番吉林選手(日本)
31分7番吉林選手(日本)
36分失点
38分失点
1戦目で勝利を収めたチーム同士の対戦。過去4度の対戦では4勝と分が良い日本だが、1点差勝利が2度、PK勝利1度と接戦となっている。日本の先発はGK2番山下選手、10番中島選手は同じだが、7番吉林選手、9番関灘選手、11番北川選手が名を連ねた。この日も自陣に引いてゾーンで守るタイに対して日本はボールを回し、チャンスを伺う。引いて守るタイに対して昨年度より取り組んでいる密集からワイドへという戦いではなく、後ろ3人がワイドに開いてピヴォを置いた3-1システムで攻撃を組み立てる。日本は積極的に前からマークチェンジディフェンスでプレスをかけるとこれが機能。タイはGKからでも前線へボールを入れて回避を図る。日本は前半6分、そのタイGKが前線へボールを入れ、一気に押し上げを図った所からボールを奪い、相手のフィクソに8番坂田選手が突っかける。こぼれ球をフォローした11番北川選手がGKと1対1の場面、更にスピードを上げてゴール前に走り込んできた8番坂田選手にパスして無人のゴールに流し込み、日本が先制点を奪った。タイはボールを外側で回させ、チャンスとなった時にボールホルダーに囲い込み、ボールを奪おうという意図が見れるが、ボールへの寄せが甘く、難なく浮き球等を使って回避できていた。前半はあきらかな日本ペース。ピンチらしいピンチもほぼなく、あとは追加点が欲しいという前半終了間際、ハーフライン付近からの10番中嶋選手からがディフェンスの裏に走り込んだ8番坂田選手にロビングパス。連続シュートの跳ね返りを7番吉林選手が体で押し込みゴールに入った所で前半終了のブザー。ブザービートは認められ2-0と貴重な追加点を加えて前半を終了した。前半のスタッツではボールポゼッションが日本66。6%、タイ33.3%と数字通りの日本ペースだった。
後半前からかけてきたタイを冷静に回避すると前半同様タイはまたも自陣で引いてゾーンディフェンスを始めた。日本陣内でのキックインの時には前からかけてくる場面もあったが、この後、タイは自陣に引いて守備ラインを作った。日本はディフェンスが押し上げてきたら密集を作り、逆に引くとワイドに広がり、相手を見て戦術を使い分けていた。後半11分、タイが自陣からゲームを組み立てようとした瞬間に13番高尾選手がプレスをかけてボールがこぼれた所を10番中島選手奪い、2-1の場面を作り、13番高尾選手→走り込んできた7番吉林選手が左足トゥーキックで蹴りこみ3-0とリードを広げた。3点差とされたタイは直後のファールで5ファールを重ねてしまう。タイムアウトを取ったタイは後半12分からタイのFP3番がGKシャツを着てパワープレーを始める。タイのパワープレーは2013年のアジアインドアゲームズでも日本から得点を奪っており、日本はこのパワープレイーに苦しめられる。5角形から左右非対称の陣形を作り、縦の奥に入れて折り返しを狙う。日本も一旦タイムアウトを取り、守備を確認。この直後、タイはパワープレーを行うGKを3番から10番に変更する。すると後半16分、左サイド奥に入ったボールをタイ番がシュート。これがGKの足下を抜けて1点を奪われる。18分には日本が第2PKを得るが、これを決められず、逆に18分にタイ10番に中央からミドルシュートを決められ、3-2と追い上げられる。しかし残り時間を何とか逃げ切り3-2でゲームセット。完璧な試合運びとパワープレーに脅かされる2つの側面が見られた試合だった。
(写真:中山伊織)