【スペシャルインタビュー】藤田安澄の現在 - 女子フットサル|PANNA-FUTSAL

【スペシャルインタビュー】藤田安澄の現在

2015年7月14日 17:14
 第1回全日本女子フットサル選手権(当時T-FAL CUP)優勝、ブラジル、スペインで、そしてフットサル日本女子代表の主将として活躍した“レジェンド”藤田安澄氏は現在湘南地域を拠点にして様々な活動を行っている。その藤田氏に今後の活動予定や現在の女子フットサルについてインタビューを行った。
 
 
<藤田安澄インタビュー>
 
 - 現在の活動を教えて下さい。
藤田:現在湘南地域を活動の中心として活動する総合スポーツクラブを目指してAtractivo activity clubを2014年に発足させ、今年より一般社団法人化しました。現在はフットサルが中心ですが、様々なスポーツへ活動を広げていきたいと思っています。
 
 - 現在の活動内容を教えて下さい。
藤田:現在小学生年代のジュニアフットサルスクール、U-15レディースフットサルチーム、ママさんフットサルチーム、ジュニアRunningスクール、その他サークル活動を行っています。
 
 - 一般ではなく、U-15レディースチームを今季から立ち上げたようですね。
藤田:はい、大きく分けて2つの理由があります。サッカーチームが少なくなるU-15年代の受け皿を作りたいという事。もう一つは経験上、社会人チームは各自の現在の生活がある中でアスリートとしての意識を根付かせ、成長させるのは非常に難しいなと感じていました。そこで育成年代から体力、技術、精神面、栄養面等から育てていくのが良いのではと考えました。高校でサッカーに戻っていく事もあると思いますが、フットサルを経験しておいて良かった、そしていつかまたフットサルに戻ってきたいと思ってもらえれば嬉しいなと思っています。
 
 - ママさんチームは昨年から神奈川県ef-2に参戦されていたようですね。
藤田:この地域でクリニックを開催していますが、そこに参加されているママさんやサークル的にエンジョイで一緒に大会に参加していたママさんを中心に試合に出たいという事でAtractivoとして参戦する事になりました。ef--2は県の公式リーグですが、昇降格が無いので完全なエンジョイです。その為、最初にエンジョイの定義を選手に伝えました。週2回の練習では集中してすべてを忘れてフットサルをしようと。システム攻撃も明確にして練習していますが、試合の相手チームの全てが高校生ですからなかなか難しい面もあります。
 
 - 先日多摩大学湘南キャンパスとの提携を発表されていました。
はい、総合スポーツクラブを目指す中で地域との連携は必須だと考えていました。そこでこの度藤沢市にある多摩大学湘南キャンパスと提携させていただく事になりました。U-15レディースフットサルチームの活動場所として、そして今後スポーツ教室開催、スポーツイベント開催、そして学生との交流等を行っていく予定です。先日も「藤沢産業フェスタ」の多摩大学ブースでプレゼンの時間をいただきました。多摩大学のスタッフや学生と一緒にいろんな事にチャレンジしていきたいと思っています。
 
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 - さて競技フットサルを早々と引退されて指導者の道に専念されました。当時(2011年)は「引退は早すぎる」と言われた事もあったのではないでしょうか?
藤田:いつも全力でやっていて、いつ引退しても良いと思っていましたので引退に悔いはありません。まだ今でも体を作れば選手としてやれる自信はありますよ(笑)ただ、選手に戻りたいと思ったことは引退後、一度もありません。やれるか、やれないかではなく、やりたいか、やりたくないかだと思います。
 
 - その後、Aventura Kawaguchiの監督に専念しましたが、2013年に監督退任、そして退団されました。
藤田:選手を引退してチーム代表・監督に専念するようになってからクラブ、選手の為にと様々な活動を行い、選手にもアスリートとして当然だと思う事を求めました。しかし結果が出せず、選手も徐々にチームを離れていきました。アスリートとして必要な技術向上、地域貢献活動などゼロから立ち上げたチームには非常に労力がかかりました。フットサル以外でも割かなくてはいけない時間がたくさんありました。アスリートとして、またクラブの一員としてスポンサーさんとの関わり、地域で応援してくださる方たちとの関わり、さまざまな大切さがなかなか選手には伝わりませんでした。自分は監督に向いていないのではと悩む事も多く、結果的に2013年シーズン途中に監督を退任し、シーズン終了と共にAventura Kawaguchiを離れました。
 
 - いま考えてみてAventura Kawaguchiの立ち上げについてはどう考えていますか?
藤田:スペインから帰国して既存のチームに所属する事は考えていませんでした。以前所属していたFUN Ladiesに戻るのではなく、FUNと同様の強いチームを作り、切磋琢磨してくチームを作りたいと思っていました。そこで当時男子サッカーチームのAventura Kawaguchiの女子フットサル部門を立ち上げる事になりました。今考えると時期尚早だったのかなという感もあります。
多くのスポンサーを抱え、一生懸命フットサルをしたい選手はサポートカンパニーで働き、フットサルに専念できる環境まで作りました。しかし、そこまでしても今の仕事を捨ててサポートカンパニーで働き、フットサルに専念したいと行動を起こす選手はほとんどいませんでした。
全国リーグがない女子チームにおいて、そこまでする必要があったのか…
後悔はしていませんが、やはり辛かったですね・・・。良い経験になったと思っています。
 
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 - 現在の女子フットサルについてどう感じていますか?
藤田:女子フットサルはまだまだ未熟な環境の下で行われています。選手はプロではなく、好きでフットサルをやっているのですから、うまくなりたいなら「もっと努力すれば良いのに」と感じる事があります。例えば携帯などのゲームは続ければ着実にレベルアップしていきますよね。画面に「Level○○」と出るので目に見えて分かりやすいですが、フットサルも同じだと思います。レベルアップが数値化されず、目に見えず実感しにくいと思いますが、「継続は力なり」だと思います。
私は本格的にフットサルを始めた「パラレッズ世田谷」の先輩がいてくれたこそ今があると思っています。当時フットサルの情報は非常に乏しく、まさしく“0”からフットサルを勉強してきました。そういう意味では、まだまともにリーグ戦が無く、全日本女子フットサル選手権も無い頃から定期的に活動するチームがあり、厳しい先輩達に怒られながらも必死についていくという環境があったというのは運が良かったと思っています。FUNに移籍してから1、2年すると誰からも怒られるという事がなくなってきました。でも当たり前に練習に早く来てトレーニングして、終わっても筋トレするという事は続けました。うまくなりたいのですから当然だと思っていました。そういう当たり前のことやこれだけ情報があふれている社会ですから努力の仕方を工夫する事を今の選手はできているのかは知りませんが、私は当然の事だと思っています。
代表に選ばれることは特別な事です。ある意味非常に酷な場所でもあると思います。下手なプレーを見せれば「あれで代表なの?」と言われますし、日々の行動も「代表経験者」として見られます。代表を目指したいと口にする人にはその覚悟が必要であり、選ばれ続けるには相当の努力が必要です。今の代表選手はどうなのですかね?その覚悟ができている人が代表に選ばれているなら嬉しいです。
 
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 - 最後に今後についてお聞かせ下さい。
まずはAtravtivo Activity Clubの活動を軌道に乗せていきたいと思います。地域に根差して、様々なご協力もいただきながら、少しずつ着実に活動を広げていきたいと思います。そして時間はかかると思いますが、私なりの方法で女子フットサルの普及、発展に寄与できればと思っています。
 
【藤田安澄氏プロフィール】
[ フットサル選手歴・所属チーム ]
(時系列に列挙)
 
PARAREDS FUTSAL 世田谷
Londrina (ブラジル)
Kuat POPIOLSKI(ブラジル)
PARAREDS FUTSAL 世田谷
FUN Ladies
Mostoles(スペイン)
Soto del Real(スペイン)
府中アスレティック レディース
Aventura 川口
 
[ 主な戦歴・個人表彰 ]
 東京都リーグ 優勝
ブラジル国際大会 出場
Taca Brasil 出場(ブラジル選手権/Londrina)
サンタカタリーナ州 リーグ優勝(Kuat POPIOLSKI)
東京都リーグ 優勝
東京都大会 優勝
全日本女子フットサル選手権 優勝
全日本選抜大会 優勝
東京都リーグ 優勝
東京都大会 優勝
全日本女子フットサル選手権 優勝
第1回Nation's Cup [MVP]
COPA de ESPANA ベスト4 (Mostoles)
スペインリーグ 3位(Monstoles)
スペインリーグ 12位(Soto del Real)
埼玉県女子フットサルリーグ 優勝
関東女子フットサルリーグ 3位
 
[ 日本代表戦歴 ]
第2回アジア インドアゲームズ 優勝(日本代表主将)
第3回アジア インドアゲームズ 優勝(日本代表主将)
第1回ワールドフットサルトーナメント(日本代表主将)
 
[ 日本代表・選抜歴 ] 
東京都選抜(2004-2006)
女子日本代表主将(2007)
女子日本代表主将(2009)
女子日本代表主将(2010)
埼玉県選抜(2010)
 
[ 指導ライセンス ]
○ JFA公認ライセンスC級
○ 日本体育協会公認指導員
○ 公認フットサルB級ライセンス
○ AFC Level1 Futsal Caoching Certificate
○ 中高校教員免許
 
[ 監督・指導歴 ]
埼玉県U-15女子フットサル選抜コーチ(2010)
埼玉県女子フットサル選抜監督(2012)
埼玉県女子フットサル選抜監督(2013)
 
Aventura川口 選手 兼 監督(2010-2011)
Aventura川口 監督(2012)
 
 
 

 

 

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