SWH Ladies Futsal Club 2-1 arco-iris KOBE
得点者:13分6番天満選手(SWHL),15分19番若林選手(arco),21分15番網城選手(SWHL)
全日本女子フットサル選手権、兵庫県から関西大会への出場枠は”1”。昨年全日本2連覇を果たした女王arco-iris KOBEの選手が口にした言葉は「一番手強かったのは兵庫県決勝のSWHL戦」。最大のライバルarco-iris KOBEとSWH Ladiesの戦いは7/4(土)三田市駒ヶ谷運動公園体育館で行われたが、この試合だけの為に多くの観客が来場し、更に決戦を見ようと遠くは関東リーグの監督、関西の監督、選手、東海、中国地域からも関係者が観戦に訪れ注目の高さが伺えた。
序盤優位に試合を進めたのはarco。前から寄せて相手陣内でゲームを進める。SWHLは無理にボールを回そうとせず、キープが無理だとと判断した場合は外へ蹴り出す、前方へクリアする等、リスクを排除し不用意な失点を防ごうという意図が見える。3-1のシステムからシンプルに攻撃を組み立てるarcoに対してSWHLは積極的にパスカットを狙い、そこで奪うと一気にカウンターを仕掛けゴールに迫る。SWHL14番坂田選手はバランスを取る事に苦心し、前線へ位置を上げる事ができないでいたが、身体を張ってボールを奪い、カウンターの起点の役割を担っていた。一進一退の様相を呈してきた前半13分、arcoはSWHLの保持するボールに3人が集まり、一瞬守備のバランスを失った。そこを見逃さずSWHLがパスで打開し一気に3対1+GKの局面を作る。15番網城選手から11番黒川選手へとボールが渡り、そこへGKが詰め寄るが冷静にアウトサイドでパスを出した所に3枚目6番天満選手が走り込みスライディングシュート。我慢をする場面が多かったSWHLが喉から手が出るほど欲しかった先制点を奪った。しかし体を張った守備でファールがたまり、5ファールを重ねたSWHLは前半14分に6つ目のファールを犯し、arcoに第2PKを与えてしまう。6番井野選手が放った強烈なシュートはサイドポストに当たりチャンスを逸するが、前半残り48秒にビッグプレイが飛び出す。arco6番井野選手からのダイレクトでのロビングパスを19番若林選手がバイシクルシュートでゴールネットを揺らし1-1と同点に追い付いた。
後半はお互いの持ち味を出して、めまぐるしい攻防が繰り広げられる。ピヴォアラチェンジを中心としたボール回しからサイドをしかけて攻撃するarco。SWHLはクワトロからライン間を狙いながらも攻守の切り替えを重視し、鋭いカウンターをしかける。なかなか得点が奪えない状況で次の得点が重要になると思われた後半6分、arco9番関灘選手がハーフライン付近でボールを奪い、GKと1対1を作る。しかしSWHLのGK21番山本選手が間合いを詰めてこれを防ぎ、更に放たれたシュートをキャッチし、すぐさま前線の15番網城選手へ供給すると2対1+GKの場面を作る。右サイドを駆け上がった10番江口選手とワンツーでDFをかわしダイレクトでゴールに押し込みSWHLが再び勝ち越しに成功する。勝ち越した後、リスクを避けたった戦いぶりを見せるSWHLだったが、arcoの素早いプレスをライン間を使って回避、逆にカウンターへ持ち込むなど良い攻撃の形も見えてきた。ここからはまさに激闘。お互いにチャンスを作り、ゴールに迫るが両GKを中心にスライディングや体を張った守備を見せ、観客からもその都度どよめきや歓声が起こる。息を呑む展開は残り5分、arcoがGKを1番古市選手に交代。やり投げで国体経験もある強肩を使ってゴールクリアランスからでも一気にチャンスを作る。試合も更にヒートアップ。激しい攻防にベンチの指示の声も大きくなる。最後まで諦めず攻める両チーム、特にarcoの猛攻は凄まじいものがあったが、SWHLも時間稼ぎなどせず、攻めきる姿勢を見せる。見応えのある試合はSWHL、GK21番山本選手がボールをキャッチした所でタイムアップのブザー。ベンチから飛び出して喜びを表現するSWHL、そしてうなだれる昨年全日本女王arco。県予選の1試合にするにはもったいない、観客を魅了した試合は2-1でSWHLが勝利し、関西大会進出の切符を手にした。
<SWH Laadies Futsal Club上久保監督>
- 兵庫県大会優勝おめでとうございます
上久保:ありがとうございます。
- この試合のプランを教えて下さい。
上久保:正直ありませんでした(笑)arcoさんとは何度もやった事があるので特徴もある程度把握していましたし、その特徴を消せるようにハードワークするよう求め、選手がそれを実行してくれました。
- 試合を通じて感じた事は。
上久保:試合が始まってすぐに「今日は結構できる」と手応えを感じました。1-0となってからも味方選手同士の距離感、そして敵ボールホルダーとの距離感など、空間認知のトレーニングを普段から指示している事を選手が試合で実践してくれました。
- 連覇中のarcoを倒した事で注目度が上がりました。
上久保:arcoさんに勝利した事を無駄にはできません。arcoさんの分も含めて兵庫県の代表としてまずは全日本出場を果たし、そして全日本では兵庫県勢の連覇を伸ばせるように頑張りたいと思います。
<SWHL網城選手>
- 優勝おめでとうございます。
網城:ありがとうございます。私がSWHLに入団して初めてarcoさんに勝つ事ができました。arcoさんは連覇を果たし、今年は世界も経験していて一歩先を行っている感じがしていましたが、倒す為に練習から気持ちを高めてやってきました。
- 2ゴールに絡む活躍でした。
網城:練習の時はパスを選択しがちでよく指摘を受けていましたが、今日はうまく空間認知ができたのが良かったと思います。
- 今日の勝因は何だと考えていますか?
網城:arcoさんとの試合では、いつも何点取ってもそれ以上失点してしまう事が続いていました。今日は先制できましたが、arcoさんの攻撃は本当に怖かったです。今日守れたのは、いつもより体を張れていた事と、GKだんさん(山本選手)がたくさん止めてくれましたのが要因だったと思います。
- さて関西大会、その先には全国大会があります。
網城:arcoさんに勝利した事に満足せず、arcoさんの分も頑張りたいと思っていますが、まずは目の前の1勝を大切にして、その結果として全国切符を取る事ができれば良いなと考えています。