PK戦迄もつれた第10回全日本女子フットサル選手権関西大会、arco-iris KOBEが全国大会への切符を勝ち獲った。あまり関西の女子フットサルを取材する機会が少ない筆者にとっては様々な面で新鮮であり、興味深い取材となった。 今大会出場チームの内、全国大会へ出場経験のあるのはarco-iris KOBE(兵庫県) 、Futsal Club VALE寝屋川レディース(大阪府)、BAMB GREEN PARK LADIES(京都府)の3チーム。それぞれに個性のあるチームで興味深い戦いだった。どのチームが出てきても全国ではベスト4を狙える良いチームだった。滋賀県のおおつヴィクトリーズ、奈良県のディアブロッサ高田ソヒィーゾはサッカーも同時にプレイする中高生が多く、まだフットサルに慣れていない様子も伺えたが、和歌山のAMITIEは少ないメンバーながら健闘し、好印象が残っている。
総じて感じられたのは個の強さ。どのチームも当たりが激しく、至る所で1対1の攻防が見受けられ、リスクヘッジしながらも勝負どころでは思い切ったドリブルやシュート、スライディングと激しいプレイが見られ、その力強さに会場からも歓声が沸き起こる。BAMBはパワープレイで2得点、VALEはセットプレイの習熟度が高く、鍛えられれているという印象が強かった。
そんな関西から全国大会への出場枠が今回1枠というのは非常に厳しいというのが正直な感想。所定の出場枠算定規定があるのは分かってはいるものの、前回同様2枠あって欲しかった。その厳しいレギュレーションの中でも勝ち残ったarco-iris KOBEは2年ぶり3度目の全国出場。初回出場が第6回の3位、第8回では優勝を飾っただけに全国大会では間違いなく優勝候補に挙げられる。arco-iris KOBEの印象は「強いフィジカルと強い気持ち」。1日3試合を5人のフィールドプレイヤーで戦い抜き、予選リーグ2試合目では20-0というスコアを叩きだした攻撃力は脅威的。強い気持ちを保つためにフットサル女子日本代表でも主力の6番井野選手は試合中、ずっと指示を出し、味方の士気を鼓舞し続けたのは強烈に印象に残っている。代表経験者が5名おり、トリムカップで2年連続優勝を飾っている兵庫県選抜としても活躍している選手が多いだけに経験は豊富。心配なのは故障等で戦力が整わない事位か。arco-irisがどのように全国大会を戦うか注目したい。