言わずと知れた大学女子サッカーの名門校。なぜフットサルに参戦してきたのか河合一武監督に話を聞かせていただいた。
?今回埼玉県フットサルリーグに参戦してきたきっかけは?
まず第一に挙げられるのはフットサルへの興味。私自身日本サッカー協会の女子の委員を務めたりしている関係で様々な面から女子サッカーを検証してきました。その検証の中で日本女子サッカー代表やなでしこリーグで活躍する選手は北海道出身が多い傾向にあるというデータが出てきました。北海道といえば冬はグランドが使用できないので屋内でフットサルを行っている事が関係しているのではと考えフットサルに興味を持ち、昨年から様々なカテゴリーのフットサルを観戦に行きました。
二つ目としては現在武蔵丘短期大学はサッカーコースをサッカーフットサルコースに変更する予定。これは女子サッカーが抱える問題としてあるボールを蹴る場所を当校で幅広く提供できないだろうかと考えている事。小中学生の時にサッカーをしていたが選手が高校入学と共に蹴る場所を失ってエンジョイのフットサルに流れてしまう。その選手たちを競技の世界に戻す場所になれないかと考えました。
三つ目には当校出身のOGがなでしこリーグで活躍した後に様々な事情で退団し、また武蔵丘短期大学でサッカーをしたいと戻って来る選手がいます。そんな場所をフットサルでも提供できないかと考えました。自分の知っている選手も日本女子フットサル代表に選出されており、またOGの中でもフットサルで日本代表を目指したいと相談してきた選手がいた事もきっかけになりました。
?今回のメンバー構成は?
OG5名とその他は在校生です。OGには日本代表候補になった選手もいます。ただ4月からは若干メンバーが変更される可能性もあります。サッカーもかけもちする予定で日程がかぶってしまう事もあるのでもう少々OGを増やす予定もあります。
?フットサルの印象は?
審判が厳しいですね(笑)ショーツからスパッツが見えるとしてベンチに引っ込められたのには少々戸惑いました。プレーの面では足裏で一度止める事が多いようですね。サッカーはワンタッチでプレーする様に指導しているので大きく違う点だと感じました。それとサッカーでは3人目の動きを重視しますが、リスクとの天秤で3人が攻撃に絡んでしまうとミスがあった時のカウンターがあるのでリスクマネジメントが難しいと思っています。
?今後の課題についてどう考えていますか?
運営も含めてフットサルの世界をしっかりと勉強していく必要があると思っています。とにかくこの1年関係者に迷惑をかけないように留意していきたいと考えています。
インタビューが終わった後に河合監督に石田美穂子という一人の選手を紹介していただいた。昨年までジェフユナイテッドレディースに所属しアーティスト活動も行っており様々なメディアで取り上がられた選手だ。早速話をきかせてもらった。
?今回フットサルの世界に飛び込んだ理由は?
なんでも一番になりたい自分の性分はサッカーと歌手の両立に少々難しさを感じていました。そんな中なでしこリーグからフットサルの世界に飛び込んでいる選手がいて日本代表にも選ばれている事を知りました。そこで本気で一からフットサルを学んでみたいと考えるようになりました。武蔵丘短期大学はテクニックという面で秀でている学校だと思っています。そんなスタイルをフットサルの競技でも出していければと考えています。
?フットサルの印象は?
フットサルはとてもスタイリッシュなイメージがあります。ウェアもファッショナブルだし、女性もエンジョイ等でプレイしている人も多くとても洗練されているという印象があります。プレイの面ではサッカーとフットサルは全く別な競技だと考えています。サッカーとの違いはたくさんありますが、スピード感が一番違うなと感じています。しかし女子のレベルや環境など自分でまだわかっていない部分もたくさんあります。本気でフットサルを続けていきたいと思っているのでこれからもっと勉強していきたいと思っています。
?今後のアーティスト活動への影響は?
また自分が歌手として活動している中でフットサルとコラボレーションできる事もあるのでは考えています。こんな選手がいるという事で他の人がフットサルに興味を持ってくれたり、フットサルの世界を叩いてくれると良いなと考えています。
話を聞いている中で河合監督、石田選手共に「サッカーとフットサルは別」と捉えフットサルをリスペクトし、本気で取り組んでみたいという意欲を感じた。実際に参入戦では話題のAventuraを圧倒した事を考えると、来季の埼玉県女子フットサルリーグの優勝候補の一角に挙がられるのかもしれない。